季刊 ちくまん

 『般若心経秘鍵』に学ぶ 

 

『般若心経』ほど一般によく知られ、お唱えされている経典はございません。書店の宗教コーナーには必ずその解説書の類を見かけます。解説書は現代に限ったことではなく、古来より、多くの学僧が研究してきました。お大師さまの晩年の著作である『般若心経秘鍵』は代表的な解説書であります。

平成三十年に、大覚寺ご始祖嵯峨天皇さまが国民の安寧を祈願して浄写された、勅封般若心経開封千二百年の節目を迎えました。大覚寺にとって般若心経は信仰の中心にあり、その根幹を解説したものが般若心経秘鍵の教えであります。般若心経の功徳を讃え、その霊験を仰ぐべく、「『般若心経秘鍵』に学ぶ」と題してお大師さまのお言葉に触れていきたいと思います。

 

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