Team Usumidori
~薄緑(膝丸)公式HP~
重要文化財
「太刀/薄緑(膝丸)」
Important cultural property Tachi Sword named “Usumidori (Hizamaru)” Kamakura period,13th century
大覚寺に所蔵されている源氏の重宝「膝丸」との伝承を持つ太刀。付属の『薄緑太刀伝来』記に、源満仲は「鬚切」「膝丸」の二振りの太刀を所持したと記されている。また、源義経が所持した際には、「膝丸」を「薄緑」にしたと記されている。北野天満宮所蔵の「髭切」と同じく、伏さり気味となる小鋒と腰元で反る太刀姿に時代性が感じられる。
銘の一文字目が大きく破損しているのは、刀身を造った時の共鉄で造られた鉄鎺の影響とされる。地鉄はよく詰んだ小板目肌で、直調に小足の入った小丁子・小互の目交じりの刃文に淡く映が立つ。これらの特徴は古備前派に顕著な作風で、このことから本品の作者は長船派・光忠の父である古備前派・近忠と思われる。しかしながら、近忠には在銘確実な作例が現存せず、本品との作風および銘振の比較検討ができないため、決定力に欠ける。