「懺悔」
昨年(平成二十五年)の十月八日から十二月一日の期間、東京国立博物館にて、特別展「京都-洛中洛外図と障壁画の美」が開催されました。
本展の公式テーマソングとなったのが「懺悔」。
この曲のプロモーションビデオには、大覚寺が多く撮影に取り上げられています。
ところで「懺悔」を仏教では「さんげ」と読みます。
経典を読誦する際「懺悔文」をお唱えすることがあるでしょう。
我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴
従身語意之所生 一切我今皆懺悔
「無始よりこのかた 貪瞋痴の煩悩にまつわれて 身と口と意とに造るところの もろもろの つみとがを みな悉く懺悔したてまつる」
とあります。
典拠は、『華厳経』「普賢行願品」等です。お経には、先ず初めに仏法僧の三宝に礼拝すること、次に罪業を懺悔することとあります。これは、罪業を懺悔によって消滅させなければ、善行を行ってもそこから功徳が生じる余地がないからと言われていることによります。
私達は、生死の流転を繰り返し、その中で様々な悪業を積み重ねてきました。それらをかつて仏弟子達がなされたように、今悉く懺悔し陳謝する。ひとたび懺悔した上は、再び犯すようなことはしないと誓うことです。懺悔を徹底することによって、次の悟りの願いや積善が成就されます。
私達の日常生活の中で、「申し訳ない・・」「またやってしまった」「ごめんなさい」という気持ちが懺悔となるのです。
「ごめんなさい」そこから一歩前進が出来るのです。