新嵯峨野物語「悲劇の皇太子たち」

 

「新嵯峨野物語」サブタイトル変更

戊戌記念の一環として藤川桂介先生による小説『新嵯峨野物語』が月刊『嵯峨』において連載されてから、すでに8話を数えます。ここで舞台は嵯峨天皇の御代となりました。そこで、サブタイトルを「悲劇の皇太子たち」から「嵯峨王朝史」と改め、お話も次第に壮大な平安絵巻の時代へと突き進んでまいります。引き続き『新嵯峨野物語』をお楽しみ下さいませ。...

「新嵯峨野物語」第七話紹介

「新嵯峨野物語」第七話が、月刊「嵯峨」10月号に掲載されました。 冒頭一部をご紹介致します。   桓武天皇の崩御を受けて、皇太子の安殿親王は践祚して平城天皇となられましたが、先帝の遺言によって、その皇太子となられた神野親王は、昨日笠道成との作業を終えて春宮へお戻りになられると、にわかに自分の立場ということについて、考え始めていらっしゃいました。 (いよいよ朝廷を担われるのです。これまで多くの日嗣皇子様が辿られた、悲しい道だけは、どうか辿るようなことがありませんように…)...

「新嵯峨野物語」第六話紹介

「新嵯峨野物語」第六話が、月刊「嵯峨」8月号に掲載されました。 冒頭一部をご紹介致します。   平城天皇の皇太子神野親王は、その日も夜明けとともにお住まいの春宮を出られると、 馬寮の用意した駿馬を駆って、お気に入りの嵯峨野の山荘へ向かわれました。 やがて為政の要となる日のために、先帝の為政の足跡に学ぼうと決心なさってから、 その日は六日目になっていたのですが、神野の企てに協力する尚侍の笠道成はいきなり、 「先年、駿河国の不二山がかなり大きな噴火をいたしましたが、足柄道が塞がれてしまったということでございますね」...

「新嵯峨野物語」第五話紹介

「新嵯峨野物語」第五話が、月刊「嵯峨」8月号に掲載されました。 冒頭一部をご紹介致します。   先帝桓武天皇の崩御を受けて、三十三歳で践祚した平城天皇による為政が、いよいよ始まろうとしている時です。 皇太子としてやがて為政にかかわるその時に備えて、先帝の足跡を辿っておきたいと考えた神野親王は、気心の知れた元乳母であり、侍読を務めたこともある笠道成に協力をさせて、真摯に作業をしつづけていらっしゃいました。...

「新嵯峨野物語」第四話紹介

「新嵯峨野物語」第四話が、月刊「嵯峨」7月号に掲載されました。 冒頭一部をご紹介致します。   平城天皇の皇太子神野親王が、夜明けを待ちかねたように春宮を出ると、用意させてあった駿馬を駆って、嵯峨野の山荘へ向われるようになって四日目になります。 いつか自らが朝廷を率いるときに備えておこうと思い立たれて、かつて神野の侍読を務めた、笠道成に手助けをさせながら、先帝桓武天皇の足跡を辿る真な作業をつづけていらっしゃったのです。 その日道成は、 「本日はもう一度、時代をさかのぼって頂こうと思います」...

「新嵯峨野物語」第三話紹介

「新嵯峨野物語」第三話が、月刊「嵯峨」6月号に掲載されました。 冒頭一部をご紹介致します。   平城天皇の皇太子神野親王は、今日も夜明けとともに春宮を出ると、駿馬を駆ってお気に入りの嵯峨野の山荘へ向かって行かれました。そこにはすでに、笠朝臣道成という者が、親王のお出でになられるのを待っているはずです。...

「新嵯峨野物語」第二話紹介

「新嵯峨野物語」第二話が、月刊「嵯峨」5月号に掲載されました。 冒頭一部をご紹介致します。     平城天皇の皇太子となった神野親王は、朝廷が始動したばかりのある日から、 夜明けと共に春宮を出ると駿馬を駆って、お気に入りの嵯峨野の山荘へ向かわれるようになりました。 やがて訪れるであろうその時に備えて、先帝桓武天皇が辿ってこられた為政の足跡を、 振り返ってみようと考えられたのです。 そこにはかつて三代目の乳母として親王に仕え、侍読も務めたことのある笠朝臣道成という者に...

「新嵯峨野物語」第一話紹介

「新嵯峨野物語」第一話が、月刊「嵯峨」4月号に掲載されました。 冒頭一部をご紹介致します。 第一話 「巨星、堕つ!」 延暦二十三年(八〇四)三月二十八日 、遣唐大使藤原葛野麻呂(ふじわらのかどのまろ)が率いる船で、橘(たちばなの) 逸勢(はやなり)、空海(くうかい)などと共に唐国へ向かった最澄(さいちょう)という若い僧が、 八か月という短期間の滞在で、翌年の六月に帰国いたしました。 一緒に唐へ向かった空海は、唐に滞在する期間が、二十年と長期であることが義務づけられている、...

イメージイラストご紹介

挿絵をご担当いただく睦月ムンク先生より、イメージイラストを頂戴いたしました。...

藤川桂介先生執筆「新嵯峨野物語 悲劇の皇太子たち」は
月刊「嵯峨」平成27年4月号より連載予定です。

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