新嵯峨野物語

「新嵯峨野物語」第五話紹介

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「新嵯峨野物語」第五話が、月刊「嵯峨」8月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

 

先帝桓武天皇の崩御を受けて、三十三歳で践祚した平城天皇による為政が、いよいよ始まろうとしている時です。
皇太子としてやがて為政にかかわるその時に備えて、先帝の足跡を辿っておきたいと考えた神野親王は、気心の知れた元乳母であり、侍読を務めたこともある笠道成に協力をさせて、真摯に作業をしつづけていらっしゃいました。
早朝から馬を駆って、春宮から走り出て行かれる姿を見かけた若い官人たちは、その真剣で緊張した様子を怪訝に思って、密かに先達に問いかけたりするのですが、春宮大夫も畏れ多くて、とてもそのようなことを問い質したこともありませんから、適当に返答をするしかありません。
「先帝の治国のあり方を、学んでおられるに決まっておるではないか」

 

続きは月刊「嵯峨」8月号にて掲載しております。

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