新嵯峨野物語
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「新嵯峨野物語」第二十二話紹介

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「新嵯峨野物語」第二十二話が、月刊「嵯峨」1月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

第二十二話 「太上天皇、菊ヶ島幻想」

天長四年(八二七)正月のことです。
淳和帝は体調が優れず朝賀の儀を取りやめてしまわれましたが、陰陽寮が占ってみたところ、稲荷山の祟りだというのです。空海が東寺の塔を建立する時に、稲荷山の木を切らせたことが原因だと言います。今上は直ちに大中臣雄良を送って、それまで秦氏の私社であった稲荷神に従五位下を与え、神として遇することにすると同時に、実りを約束するといわれる、荼吉尼天を祀る稲荷神社を東寺の守護神として迎えたのです(類聚国史)。そしてさらに朝廷は、怨霊の原点となりやすい霊を祀っている、飛鳥の川原寺などに経を捧げたりして二月を迎えました。宮中での騒ぎの原因になっていた真名井内親王のことも、ようやく口に出す者もなくなっていたということもありましたので、今上は正子内親王を正式に皇后と決めて落ち着かれました。

続きは月刊「嵯峨」1月号にて掲載しております。

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