戊戌だより

「新嵯峨野物語」第三十一話紹介

「新嵯峨野物語」第三十一話が、月刊「嵯峨」に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

 

第三十一話「王朝の終焉と復活(下)」

 祖霊仁明天皇の順子太皇太后は、女性として最高の栄誉である太皇太后という地位を得たので、そのお礼をするために、平安京西の小塩山東の麓にある大原野神社へ向かうことになったのですが、一緒に参詣しないかと高子姫を誘ってきたのです。

 祖霊桓武天皇が長岡京へ遷都するときに、藤原氏出身の皇后乙牟漏のために、平城の春日神社から分霊して勧請した神社なのですが、嘉祥三年(八五〇)に文徳天皇が即位すると、かつて左大臣の藤原冬嗣が念願していた神殿を建設して、朝廷が伊勢神宮へ送り出す斎王に対して、藤原氏の氏神に奉仕するための斎女を置くようにもなりました。

藤原の子女たちの間ではここへ参詣して祈願すると願いがかなうというので、大変評判になっていた所だったのですが、もしその願い通りになったときには、必ずお礼にやってくることになっていました。

 

 

続きは月刊「嵯峨」10月号にて掲載しております。

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