五社明神修復工事完了
落慶法会を厳修
大覚寺寺号勅許(開創)1150年記念事業の一つである、大沢池畔の五社明神修復工事が1月31日完了しました。
五社明神修復完了に伴い、落慶法会が2月7日午後2時から厳修され、山川龍舟門跡猊下を導師に、洒水の後、堤大恵執行長が慶讃文を奉読し、御法楽が捧げられました。
五社明神落慶法会慶讃文
謹み敬って真言教主大日如来、両部海会諸尊聖衆、殊に別ては嵯峨天皇、弘法大師、禅定法皇を始め奉り、歴代の尊霊、五社明神、天神地類、仏眼所照、一切三宝の境界に白して曰さく
伏して以るに、平安の御世、嵯峨天皇は離宮を嵯峨院に定め給い、弘法大師を請じては院内に五大明王を祀り鎮護国家を祈念し給う。然るところ星霜移りて三十有余年、淳和皇太后と皇子恒寂入道親王共に篤く御願あらせられ、この先帝の遺構を三宝に捧げて精舎とすべく、菅丞相をして起草せしめ給う。貞観十八年、清和天皇より太后の御願叶え給い、額を下賜して大覚寺と称す。天下に頒行せよと詔勅を下し、恒寂入道親王が大覚寺開山の祖となられ給う。
この大覚寺寺号勅許の始めより今日に至るまで当山守護として勧請されし五社明神の現今社殿は風雪に耐えるもその損耗甚だし。遂に此度開創一一五〇年の吉祥年を令和八年に迎えるに当たり、旧観を損ねる事なく解体修復の工事を施し、無魔完成を見るに至りしは、嵯峨天皇、高祖弘法大師の御冥護は云うに及ばず、関係各位の絶ゆまざる精進の結晶に如くなし。
本日茲に瑞色景明の吉辰を卜し朝野の貴紳と共に竣工の式典を挙げ、嵯峨天皇、歴代尊儀、高祖弘法大師、五社鎮守の鴻恩に報い奉らんとす。
仰ぎ願わくは両部海会の諸尊聖衆、末徒の微志を哀愍納受し寺門の紹隆を擁護し給わんことを
重ねて乞う
今上陛下 宝祚無窮 令法久住 利益人天
風雨順時 五穀豊穣 天下泰平 四海静謐
乃至法界 平等利益
維時令和七年二月七日
大本山大覚寺門跡
真言宗大覚寺派管長
山川龍舟 敬白
法会後、堤執行長から「今般の五社明神社改修は、当山開創1150年記念事業の内、大沢池諸堂修繕として護摩堂の濡れ縁工事、名古曽橋の再現・開通に続いて実施されたものです。平安初期、嵯峨天皇が造営された離宮『嵯峨院』の鎮守社として弘法大師が勧請したと伝わる五社明神ですが、社殿が前方に大きく傾き、部材の多くも腐って危険な状態でした。今回、改修するにあたっては落ち着いた雰囲気を残すため、あえて使用可能な部材をできるだけ再利用することで、強度を高めつつも遠目には手を加えていないかのように見えるという、新築よりもはるかに難しい工事をお願いしましたところ、見事に荘厳な社殿を完成させていただきました。さて、大覚寺として開創されて1150年という勝縁の年である令和8年まで残り1年となりました。記念事業の目玉企画でありました東京国立博物館での特別展『旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-』も去る1月21日より開催され、ありがたいことに大変な賑わいを見せております。2月6日には、天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さまに行幸啓賜りました。引き続き更なる来場者にお運びいただきたいと思っております。そしてこの来場を弾みとして、来たる令和8年には記念法会として、創流1200年を超える由緒ある嵯峨御流の大華道祭を含め、引き続き皆様と共に法灯護持並びに記念事業の推進に努めてまいりますので、関係各位のご指導ご鞭撻を切にお願い申し上げます」と挨拶が述べられました。
- 修復なった五社明神
- 五社明神の落慶法会
- 慶讃文を奉読する堤執行長
- 落慶法会の様子①
- 落慶法会の様子②
- 挨拶する堤執行長