新嵯峨野物語
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「新嵯峨野物語」第十五話紹介

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「新嵯峨野物語」第十五話が、月刊「嵯峨」6月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

第十五話 「戊戌の年、天下大疫す」

弘仁八年(八一七)五月のことです。
いさかいのない治政を目指していらっしゃる嵯峨帝にとって、あまりにも想像を超えた不気味な事件が発生しました。舞姫に音楽を教習する内教坊という所に務める女孺(下働きの女役人)であった長野女王と、出雲家刀自女という同室に住む二人についてなのですが、女王の知り合いであった船延福女という者が、突然女王の部屋に寄宿することになったのです。ところがなぜか女王は、延福女の持っているわずかな衣類を見て盗もうと思いたって、その夜彼女が眠ったのを見計らって、家刀自女と謀って紐で首を絞めて殺した上に、顔皮を剝いで宮中の外へ棄てたというのです。実におぞましい事件でした。

続きは月刊「嵯峨」6月号にて掲載しております。

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