戊戌だより

「新嵯峨野物語」第九話紹介

shinsagano_h1

「新嵯峨野物語」第九話が、月刊「嵯峨」12月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

平城天皇の突然の譲位によって、皇位に就くことになられた嵯峨帝は、まだ二十三歳という若さでもありましたが、現実とどう向き合うかということについて、朝廷を率いる者としての姿勢を明らかにしなくてはならないという問題がありました。日照りが続くことについては帝の願いでどうにかなるという問題ではありませんから、それで苦しむ農民たちを、少しでも救える手立てを考えるしかありません。まだ朝廷を率いたばかりの帝は、当面配慮しなくてはならない問題も抱えていらっしゃいました。内裏を明け渡して、新たな転居の場が見つかるまで、宮中の殿舎で暮らすことになられた上皇への気遣いということです。
帝はかつて上皇が親しくお付き合いしていらっしゃった、法相宗の学僧玄賓法師が、今は伯耆国(鳥取県)で隠遁生活をしているというので、次のような手紙を書かれました。

 

続きは月刊「嵯峨」12月号にて掲載しております。

月刊「嵯峨」の詳細はこちらから。