戊戌だより

「新嵯峨野物語」第八話紹介

shinsagano_h1

「新嵯峨野物語」第八話が、月刊「嵯峨」11月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

まったく予測しなかった伊予親王の謀反という事件に遭遇して、震撼とさせられてしまった平城天皇でしたが、ようやくその余波も鎮まってほっとしていらっしゃいました。ところが先年から起こっていた飢饉と、そのために発生する死者の数が増えるために、それだけ疫病が広がるという難問を抱えていたのです。大同三年(八〇八)の年明けは、帝にとって大変気が重くなる日々になってしまいました。

即位からやっと二年が過ぎたところでしたが、先帝の為政を理想として追っていこうとするために、現実主義的な生き方をしようとする公卿とは、しっくりといかないところがあったのです。現実には伊予事件が右大臣藤原内麻呂の力によって事なきを得たために、藤原北家の者たちには、無視できないものが生まれてきていました。

 

続きは月刊「嵯峨」11月号にて掲載しております。

月刊「嵯峨」の詳細はこちらから。