戊戌だより

「新嵯峨野物語」第十八話紹介

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「新嵯峨野物語」第十八話が、月刊「嵯峨」9月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

第十八話 「一帝二太上天皇誕生」

弘仁十四年(八二三)四月には、皇統を譲位された淳和帝は即位に向けて動き出していましたが、譲位した嵯峨上皇も慌ただしく動いていらっしゃいました。かつて退位された平城天皇が落ち着き先を失ってしまったためにあちこち動き回り、やがて旧都の平城宮へ戻ることになるのですが、結局薬子の変などという騒乱を引き起こすきっかけとなってしまいました。そんな苦い体験をしたことのある嵯峨は、速やかに宮中を出て冷然院へ移られ、院司には安倍安仁を指名して管理を任せると、運び込まれたおびただしい貴重な典籍と共に新たな暮らしを始められたのでした。ところがそれで、すっかり落ち着いた暮らしが約束されたわけではありません。これまで関わりのあった者たちがご機嫌伺いに現れるのです。それがあまり続くので、その応接に忙しない時を過ごさざるを得ない状態でした。

続きは月刊「嵯峨」9月号にて掲載しております。

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