戊戌だより

「新嵯峨野物語」第二十八話紹介

「新嵯峨野物語」第二十八話が、月刊「嵯峨」7月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

第二十八話「さらば、夢追い人たち」

 承和八年(八四一)ともなると、仁明帝もすでに三十歳を越えていらっしゃるのですが、治国治政ということでは、次々起こる諸問題を処理していくには未熟な点が多すぎます。かつて困難を乗り越えるのに、有能な太政官を上手に使われた嵯峨太上天皇のように、人心の把握、統率ということで、卓越した力を発揮するようなことはできません。そんな中で時の経過と共に目立った存在になってきていた藤原氏は、次第に官衙での主導権を握るようになってきていたのです。政庁の微妙な変化に敏感な官人たちの中には、皇族を差し置いて何かにつけて指図をし始めてきている藤原氏には、徐々に不満を抱く者が増えつつありました。

続きは月刊「嵯峨」7月号にて掲載しております。

月刊「嵯峨」の詳細はこちらから。