戊戌だより

「新嵯峨野物語」第二十七話紹介

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「新嵯峨野物語」第二十七話が、月刊「嵯峨」6月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

第二十七話「苦悩する放縦不拘」 

 承和七年(八四〇)六月を迎えたある日のことです。右馬寮の広場で馬の調教をしていた在原業平へ、突然声を掛けてきた者がいました。振り向くとそこには、かなり高齢と思われる見慣れない老人が立っているのですが、その凜とした姿には、厳しい人生が刻み込まれているように思えます。

 「在原朝臣業平。話がある」

 不意の訪問客に茫然としている業平に、老人はぶっきら棒に言って表へ誘い出していきます。しかし出自の判らない訪問者でしたから、業平はどうしたらいいのかと戸惑っていると、それを察した老人は、

 「但馬権守橘逸勢。折り入って話がある」

 さっさと右馬寮から離れていきます。

続きは月刊「嵯峨」6月号にて掲載しております。

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