NEWS 1150

大沢池の舟(2艘)改修

鷁首舟の改修工事完了

大覚寺寺号勅許(開創)1150年記念事業の一つである、大沢池の舟(龍頭鷁首舟)2艘の改修について、鷁首舟の改修工事が3月27日、完了しました。

船体の補強用の鉄骨がサビていたり、土台の木部や屋形部分が腐敗していたりと、かなり老朽化していました。腐敗した土台の木部は撤去し桧材で作り替え、FRPを巻き直しています。屋形部分もすべて桧材で新しく作成しています。

施工は㈱鈴木古建築で、龍頭舟は9月末に改修完了予定。

天皇皇后両陛下・愛子内親王殿下

東京国立博物館「大覚寺展」を御観覧

2月6日、天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下におかれては、東京・上野の東京国立博物館へ行幸啓を賜り、特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」を御鑑賞なされました。

今般の展示のために御貸出しいただいた御物「嵯峨天皇像」を始め、123面にも及ぶ華やかな障壁画、さらには大覚寺の様々な寺宝を一つ一つ熱心にご覧遊ばされました。

当日は、山川龍舟門跡猊下が東京国立博物館館長らと共にお出迎えさせていただき、堤大恵宗務総長も御観覧に同行させていただきました。

天皇陛下自ら愛子殿下に御説明なさるなど、御家族の睦まじい場面もあり、とても穏やかな時間をお過ごしになられました。

大覚寺として、とても栄誉なこと感謝申し上げる慶事でした。

五社明神修復工事完了

落慶法会を厳修

大覚寺寺号勅許(開創)1150年記念事業の一つである、大沢池畔の五社明神修復工事が1月31日完了しました。

五社明神修復完了に伴い、落慶法会が2月7日午後2時から厳修され、山川龍舟門跡猊下を導師に、洒水の後、堤大恵執行長が慶讃文を奉読し、御法楽が捧げられました。

大覚寺寺号勅許(開創)一一五〇年
五社明神落慶法会慶讃文

謹み敬って真言教主大日如来、両部海会諸尊聖衆、殊にわいては嵯峨天皇、弘法大師、禅定法皇ぜんじょうほうおうを始め奉り、歴代の尊霊そんりょう、五社明神、天神地類、仏眼所照しょしょう、一切三宝の境界に白して曰さく
伏しておもんみるに、平安の御世、嵯峨天皇は離宮を嵯峨院に定め給い、弘法大師を請じては院内に五大明王を祀り鎮護国家を祈念し給う。しかるところ星霜せいそう移りて三十有余年、淳和皇太后と皇子恒寂入道親王ともに篤く御願ぎょがんあらせられ、この先帝せんてい遺構いこうを三宝に捧げて精舎とすべく、菅丞相かんじょうしょうをして起草せしめ給う。貞観十八年、清和天皇より太后の御願叶え給い、額を下賜して大覚寺と称す。天下に頒行はんこうせよと詔勅しょうちょくを下し、恒寂入道親王が大覚寺開山の祖となられ給う。
この大覚寺寺号勅許の始めより今日に至るまで当山守護として勧請されし五社明神の現今社殿は風雪に耐えるもその損耗そんもうはなはだし。遂に此度開創一一五〇年の吉祥年を令和八年に迎えるに当たり、旧観を損ねる事なく解体修復の工事を施し、無魔完成を見るに至りしは、嵯峨天皇、高祖弘法大師の御冥護ごみょうごは云うに及ばず、関係各位のゆまざる精進の結晶に如くなし。
本日茲に瑞色景明ずいしょくけいみょう吉辰きっしんぼく朝野ちょうや貴紳きしんと共に竣工の式典を挙げ、嵯峨天皇、歴代尊儀、高祖弘法大師、五社鎮守の鴻恩こうおんに報い奉らんとす。
仰ぎ願わくは両部海会の諸尊聖衆、末徒の微志びしを哀愍納受し寺門の紹隆しょうりゅうを擁護し給わんことを
 重ねて乞う
 今上陛下 宝祚無窮 令法久住 利益人天
 風雨順時 五穀豊穣 天下泰平 四海静謐
 乃至法界 平等利益

維時令和七年二月七日  
大本山大覚寺門跡  
真言宗大覚寺派管長 
山川龍舟 敬白

 

法会後、堤執行長から「今般の五社明神社改修は、当山開創1150年記念事業の内、大沢池諸堂修繕として護摩堂の濡れ縁工事、名古曽橋の再現・開通に続いて実施されたものです。平安初期、嵯峨天皇が造営された離宮『嵯峨院』の鎮守社として弘法大師が勧請したと伝わる五社明神ですが、社殿が前方に大きく傾き、部材の多くも腐って危険な状態でした。今回、改修するにあたっては落ち着いた雰囲気を残すため、あえて使用可能な部材をできるだけ再利用することで、強度を高めつつも遠目には手を加えていないかのように見えるという、新築よりもはるかに難しい工事をお願いしましたところ、見事に荘厳な社殿を完成させていただきました。さて、大覚寺として開創されて1150年という勝縁の年である令和8年まで残り1年となりました。記念事業の目玉企画でありました東京国立博物館での特別展『旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-』も去る1月21日より開催され、ありがたいことに大変な賑わいを見せております。2月6日には、天皇、皇后両陛下と敬宮愛子さまに行幸啓賜りました。引き続き更なる来場者にお運びいただきたいと思っております。そしてこの来場を弾みとして、来たる令和8年には記念法会として、創流1200年を超える由緒ある嵯峨御流の大華道祭を含め、引き続き皆様と共に法灯護持並びに記念事業の推進に努めてまいりますので、関係各位のご指導ご鞭撻を切にお願い申し上げます」と挨拶が述べられました。