2016年6月28日 | 戊戌だより
《 戊戌事業推進委員会のご報告 》
平成二十八年二月十八日に「戊戌事業推進委員会」を開催させていただきました。これは、平成二十七年十二月二十二日に開催された参事会において「明智門」の損傷について危険性が指摘され、修復事業の必要性が協議されることとなり、その結果として戊戌事業への組み入れが承認されたことによります。
ご周知の通り「明智門」は、京都亀岡にありました明智光秀公ゆかりのお城の移築建物として、かつては時代劇で奉行所入り口などとして撮影され、日本中に知られた建物です。長年の風雪の影響はもちろんですが、阪神淡路大震災以来の影響を蓄積し、地下では地下水脈の枯渇等により地盤が沈下し、現在は門そのものが傾斜し、中央部分の梁には目視できるひび割れが生じています。このままでは、中央から二つに折れ崩れてしまうことも考えられます。一年中宗団や、華道、関係者の通られる場所でもありますので、その重要性と緊急性を優先させて、戊戌事業への組み入れを協議し、かわりに当初予定の土塀修復については事業計画から削除し、歴史的価値を継続調査する方針となり、委員の全会一致で承認されました。
明智門の修理費用につきましては、すでに宗団、華道、御用達組合等からは寄付金の奉納を賜っており追加は困難との判断から、大覚寺を訪れる参拝客、檀信徒、心経会々員、その他の方々からの浄財を広くお願いする方向です。しかしながら、各ご寺院檀信徒さまや華道門人の方の中で、協力しても良いとのお気持ちがあられます御方には、どうぞご協力の程お願い申し上げる次第でございます。

梁中央部の亀裂

明智門改修工事 安全祈願法会 瓦が割れて、風により破片が参道へ落ちます
2016年6月28日 | 戊戌だより

地鎮式の様子 基礎工事の様子
《 戊戌諸会議のご報告 》
心経宝塔横に建っていた管理棟と呼称される建物は、長年の風雪のために既にその機能が失われていました。傷みもはげしく危険な状況であり、急ぎ解体の方向性をもっておりました。
平成二十七年九月十五日に「戊戌事業建設委員会」を開催させていただき、建築業者の入札を行いました。結果、いずれの業者も予算を超過していたため、委員全員の一致で「再入札」の運びとなりました。
そのため、設計業者であるT,s設計舎と協議し、設計上の工夫と使用資材等の再検討を加え、改めて平成二十七年十月十九日に「戊戌事業建設委員会」を開催し、入札を行いました。結果、御用達の「宮田工務店」を施行業者として決定いたしました。
その後、旧管理棟建物は完全に解体され、平成二十七年十一月十八日に地鎮式を執行。新たな建物は、『蓮華殿』の名称で心経宝塔方面における教化活動の拠点として、法会やイベントにも活用できる仕様で建設がはじめられております。なお、完成予定は平成二十八年八月末の予定です。

蓮華殿完成予想図
2016年6月28日 | 戊戌だより
《 秩父宮御殿 修復工事完了・公開 》
宮御殿は、秩父宮家から下賜されたもので、皇室との深い縁ある大覚寺にとりましては大切な建築物です。皇室からの御成りがありますと、この宮御殿にてご休息いただくことが恒例となっております。
関係各位さまのご理解とご協力によりまして、その秩父宮御殿の修復工事が無事に完了しました。早速に、平成二十七年七月十一日から九月三十日の間、京都市観光協会主催による「京の夏の旅」企画によりまして、一般参拝者への特別公開を開催させていただきましたところ、約一万三千人の来場者があり盛況のうちに終了いたしました。

修復完成された宮御殿内部 宮御殿の内部東側
《 望雲亭 修復工事完了 》
戊戌事業の一環であります「望雲亭」の修復工事が「藤木工務店」施工により完了いたしました。大沢池の畔の景観にふさわしい建物として、今後も多くの方々にご活用いただきたいと存じます。また、昨年十月より行なっておりました望雲亭周辺庭園整備は御用達「池内和庭園資材」により二月末日をもって完了いたしました。これにより、望雲亭からの眺望もよくなり、ご利用される皆さまにも満足していただける庭園となりました。
《 茶道教室 修復工事完了 》
望雲亭の続きに建っております茶道教室と呼称していました建物ですが、以前のご報告通り全面修復となり、平成二十七年三月に修復工事を無事に終えることができました。今後も茶道関連をはじめとして備品の保管等、有効に活用していきます。

望雲亭より心経宝塔を望む景色 改修工事が完了した望雲亭