戊戌だより

戊戌記念事業経過報告 その三

《 戊戌事業推進委員会のご報告 》

 平成二十八年二月十八日に「戊戌事業推進委員会」を開催させていただきました。これは、平成二十七年十二月二十二日に開催された参事会において「明智門」の損傷について危険性が指摘され、修復事業の必要性が協議されることとなり、その結果として戊戌事業への組み入れが承認されたことによります。

 ご周知の通り「明智門」は、京都亀岡にありました明智光秀公ゆかりのお城の移築建物として、かつては時代劇で奉行所入り口などとして撮影され、日本中に知られた建物です。長年の風雪の影響はもちろんですが、阪神淡路大震災以来の影響を蓄積し、地下では地下水脈の枯渇等により地盤が沈下し、現在は門そのものが傾斜し、中央部分の梁には目視できるひび割れが生じています。このままでは、中央から二つに折れ崩れてしまうことも考えられます。一年中宗団や、華道、関係者の通られる場所でもありますので、その重要性と緊急性を優先させて、戊戌事業への組み入れを協議し、かわりに当初予定の土塀修復については事業計画から削除し、歴史的価値を継続調査する方針となり、委員の全会一致で承認されました。

 明智門の修理費用につきましては、すでに宗団、華道、御用達組合等からは寄付金の奉納を賜っており追加は困難との判断から、大覚寺を訪れる参拝客、檀信徒、心経会々員、その他の方々からの浄財を広くお願いする方向です。しかしながら、各ご寺院檀信徒さまや華道門人の方の中で、協力しても良いとのお気持ちがあられます御方には、どうぞご協力の程お願い申し上げる次第でございます。

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梁中央部の亀裂

  6月号04_1_明智門改修工事安全祈願法会     戊戌4号_P05_C

      明智門改修工事 安全祈願法会        瓦が割れて、風により破片が参道へ落ちます