戊戌だより

嵯峨天皇さまが弘法大師さまに高野山を下賜されて1200年 高野山において献華附般若心経秘鍵法会を厳修

 

戊戌3号_P1_003宗務総長ご挨拶

真言宗大覚寺派諸大徳各位、いけばな嵯峨御流全国門人の皆さま、大覚寺有縁の各企業、関係各位におかれましては、平素より大本山大覚寺ならびに嵯峨御流華道総司所の護持発展のためにご理解とご協力を賜っておりますこと、心より御礼申し上げます。

戊戌だよりも三号を迎えました。平成三十年まであと三年でございます。皆さまと共に、またとない勝縁の年をお迎え申し上げたく、何卒ご理解とご協力の程重ねてお願い申し上げます。

本年は、弘法大師さまが、嵯峨天皇さまより高野山の山上に道場を開いて良いというお許しを得られてから千二百年でございます。

去る三月十六日には、高野山第四百十三世座主・中西啓寶猊下が、旧嵯峨御所大覚寺にご参詣、古式の先例に随って嵯峨天皇さまに開創法会の無魔成満をお祈りなされました。

四月二日から始まった各種記念法会は実に五十日におよび、その中でも特に五月十五日には、私共大覚寺が担当で、記念の慶讃法会を執行させていただきました。

各山の特色ある法会をというお話でございましたので、大覚寺におきましては嵯峨御流による献華式を附した心経法会において、全国より出仕の大覚寺派青年教師会の精鋭による般若心経秘鍵を中心とした組み立てとしました。

特に、高野山の地は、大覚寺始祖たる嵯峨天皇さまが弘法大師さまに下賜された由縁をもって、嵯峨天皇さまの「御尊牌」を鳳輦に載せ奉り、学校法人大覚寺学園「京都嵯峨芸術大学」の学生七十名が白朱の千早に身を包み、大行列を組んでの進列となりました。

法会では、嵯峨御流華道総司所理事の西村強甫・光岡道寛の両先生による花手前。献華代表を勤められた華務長・辻井ミカ先生による願文捧読。大導師をお勤めなされました大覚寺門跡・黒沢全紹大僧正猊下とその両脇に、金剛界の供養法師は小衲服部、胎蔵界の供養法師には草津栄晋教務担当執行が、同時に振鈴を作法する響きの中、青年教師による高らかな声明と読経が勤められ、青年教師会長・服部教弘師による慶讃文捧読がなされました。

全国から檀信徒をはじめ、大覚寺心経会員らと共に参詣された大覚寺派寺院ご住職方が正面において、高野山金堂・秘仏薬師如来様に次々にお焼香され、おごそかな雰囲気の中、無事に法会は修了。境内にあふれる参詣者に囲まれ、門跡猊下を先頭に、全員が晴れやかな気持ちで高野山金剛峯寺の本坊へと還列いたしました。

ぜひ、来るべき平成三十年戊戌開封法会も成功裡に厳修させていただければと存じ、今後とも皆さま方のご厚情とご協力をお願い申し上げる次第でございます。