天井絵 華曼荼羅

華曼荼羅天井絵の制作が完了し、無事に蓮華殿に設置されました。
日本画にて描かれた、四季折々の草花が一同に並べられると、まさに華曼荼羅にふさわしい、至極の作品となりました。
天井絵作成には、多くの末寺や嵯峨御流関係者、嵯峨美術大学、一般参拝者のお力添えをいただきましたこと深く御礼申し上げます。

 

天井絵 一部紹介

若松

若松

制作者:仲政明

制作者コメント

松の若葉の瑞々しさと、勢いをもって成長していく姿を描きたいと思い、構図を練りました。また伝統的技法を取り入れた上で、古臭く見えない表現を意識して描きました。

過去に携わった二条城での模写を含め、松は多く描いてきました。今回自分の創作ということもあり、改めて、松の写生を行うことで、自然と対峙することの重要性を再認識しました。

柿

制作者:西嶋豊彦

制作者コメント

熟した柿の実が落ちた。種が飛び散り、次の命をつなげるシーンに出会い、心に残った。作品では飛び散った飛沫を鳥の姿に見立てて描き、未来への旅立ちを表している。

 

朝顔

朝顔

制作者:北村正己

制作者コメント

夏の早朝庭に咲く朝顔を見るのは楽しみです。毎朝新しい花が咲き匂うとほのかに甘い香りがある。元気な上に伸びる勢いが魅力でした。

板に描くのは木目が空間表現になり新鮮な印象を持ちました。

 

鬼百合

鬼百合

 制作者:谷井俊英

制作者コメント

若冲画に倣った様な構図や思いがありました。

 

嵯峨菊

嵯峨菊

制作者:池上紘子

制作者コメント

描きたい花を問われたときに、真っ先に、大覚寺に伝わる嵯峨菊が心に浮かびました。大学を卒業してから、一時大覚寺に奉職させていただいたことがあり、嵯峨菊のお世話のお手伝いもさせていただき、王朝の美を今に伝える嵯峨菊の魅力に触れ、折々に自分の作品にも描いてまいりました。大覚寺を代表する花であり、貴重な花として愛される嵯峨菊をお納めすることができ、大変うれしく思っております。

萩

制作者:三輪時子

制作者コメント

秋風に揺れ、自在にしなう萩は、やさしさ、たおやかさの中に強靭な力を秘めています。紅、白の萩を円窓の中でのバランスに考慮して描きました。

バック(背景)を描かないことで、描く対象物そのものに意識を集中させることになり、それによってバックと対象物との関係性について改めて考えさせられる機会となりました。

 

花菖蒲

花菖蒲

制作者:村田和香

制作者コメント

五月の花菖蒲に、強い生命力と美しさを感じて描きました。

 

月下美人

月下美人

 制作者:落合浩子

制作者コメント

 花そのものの美しさとともに、凛とした女性のイメージを重ねて描きました。

 仏様に奉納するということで、清々しい気持ちで描くことができました。

夕顔

夕顔

制作者:鳥山武弘

制作者コメント

宵闇の中にほのかに浮かび上がる白い花。闇が深くなるにつれ月の光を浴びてその白さも際立ってきます。陽の下で見ると葉は緑色ですが闇中での白い花を強調するために今回は墨のたらし込みで表現しました。宵の月にはプラチナ箔の砂子を散らしました。

山桜

山桜

 制作者:河本万里子

制作者コメント

巡る季節の中で、大地の力を秘めて咲く美しい花々。その命の輝きを参拝される皆様にもお伝えできれば、また少しでも安寧な時を過ごして頂ける様 祈りを込めて描きました。天井画ということで、どんなお花か把握しやすいよう構図の工夫と、金箔と円窓に合わせ、装飾性を意識した構成にいたしました。

 

チューリップ

チューリップ

制作者:黒田真里

制作者コメント

 チューリップが好きで、花も美しく魅力を感じますが、葉や茎のしなやかなうねりにも強く惹かれます。その生き生きとした美しさを表現するため、チューリップが描かれてない板の空間の形も大切でした。ハッとする瞬間を捉えたく日々チューリップの状態を見続けレイアウトを探し続けました。水盤にある何輪かのチューリプを何回も移動させ、スケッチをスキャンしてPC上でシミュレーションもし、面白い構図と思えるまで草稿を何度か寝転んで下から見上げたりと、1点の作品にじっくりと向き合いました。

 

九輪草

九輪草

制作者:猪熊佳子

制作者コメント

クリンソウとホタルブクロ。どちらものに咲く可憐な山野草です。凛としたたおやかな生命力を描きました。

クリンソウは愛宕山の辞世群生地でホタルブクロは月山登山道で取材しました。