戊戌だより

「新嵯峨野物語」第十三話紹介

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「新嵯峨野物語」第十三話が、月刊「嵯峨」4月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

第十三話「嵯峨源氏始まる」  弘仁四年(八一三)夏前のことですが、嵯峨帝は異国からのさまざまな接触を受けることになり、何が起こるか判らないという心配がありました。そのために、まず朝廷内の結束を確認しておかなくてはならないと考えられて、親しい関係を保ってきている近衛大将藤原冬嗣の閑院という名を持つ邸宅を訪問されたり、続いて弟である皇太子の大伴親王の屋敷である南池院(平安京右京四条に所有していた)へ、右大臣藤原園人など重臣たちを伴って行幸されたりすることもありました。  園人は苑池を巡りながら、こんな歌を詠みます。  今日の日の 池のほとりにほととぎす  平は千代と鳴くは聴きつや  (今日、池の辺でほととぎすが、平安京は千代に栄えるよと鳴くのを、お聴きになりましたでしょうか)  それに対して帝はこんな歌を返されました。  ほととぎす 鳴く声聴けば歌主と  共に千代にと我も聴きたり  (ほととぎすが鳴くのを、和歌に詠んだ園人と共に、朕も平安京が千代に栄えると聴いた)  雅楽寮の楽人が音楽を奏するなかで、文人たちに詩を作らせたりしましたが、園人は喜びと感謝の気持ちを表そうと舞踏を行ったといいます。 

続きは月刊「嵯峨」4月号にて掲載しております。

月刊「嵯峨」の詳細はこちらから。

 

「新嵯峨野物語」第十二話紹介

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「新嵯峨野物語」第十二話が、月刊「嵯峨」3月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

弘仁二年(八一一)正月です。

まだ政変があってからそれほど時も経っていないということもありましたから、治国ということではいろいろと目が行き届かないこともありました。そんな嵯峨帝に、早速のしかかってきたのは陸奥との紛争でした。祖霊光仁、桓武両天皇の時代から朝廷を苦しめ続けていた蝦夷との抗争は、武将坂上田村麻呂の努力で鎮圧されてから、長いこと静かになっていたはずだったのですが、また息を吹き返してきているというのです。

 

続きは月刊「嵯峨」3月号にて掲載しております。

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大覚寺心経会ご本尊 「秘鍵大師」ご尊像 完成と初お披露目

06-①完成した「秘鍵大師(弘法大師)」ご尊像

来る平成30年に嵯峨天皇宸翰勅封般若心経1200年戊戌開封法会をお迎えする祝縁をもって、仏師藤田尚樹先生により大覚寺心経会ご本尊「秘鍵大師」ご尊像、そして、嵯峨御流ご始祖「嵯峨天皇」ご尊像を製作いただいております。

前号にてご報告させていただきましたとおり、藤田先生により「秘鍵大師」ご尊像の色付け作業を行なっていただいておりましたが、このたびすべての製作工程が完了し、納めていただきました。

まず、2月15日の教区長会で初お披露目となりました。引き続き、「嵯峨天皇」ご尊像について彫刻を行なっていただいております。完成は今年の秋ごろを予定しております。