善知識ぜんちしきに聞く」

 

「今年のお盆休ぼんやすみはどこへ行こうか」

このようなお話をあちらこちらで聞かれる季節となりました。連休ですので海外や行楽地こうらくちへ足を運ぶ方も大勢おおぜいいらっしゃると思いますが、このお盆休み、たくさんの方とお話をされてはいかがでしょうか。いろいろと新しい発見があるかもしれません。題名にございます「善知識」を仏教語辞典で調べてみますと、

一、よき友、心の友 

二、高いとくそなえた人 

三、釈尊の教えを継承けいしょうし、仏道ぶつどうみちびく者

などと書かれています。少々立場は違いますが、いずれも自分にいアドバイスをしてくださる人々という印象いんしょうが見受けられます。

一の友人は遠くにいても近くにいても、親身しんみに話を聞き入れて相談にのってくれます。時にはケンカをしたりしますが、共に笑い、共に泣き、人生を歩むにあたり必要不可欠ひつようふかけつな人物です。

二は学校の恩師おんし職場しょくば上司じょうし、また身近なところだと両親や目上の親族になりますでしょう。多くの経験を踏まえたうえで発せられる言葉は、公私こうしにわたって自分自身を成長させてくれるでしょう。

三は言うまでもありません。お寺のご住職じゅうしょくです。私たちが仏さまの教えを守り、その教えにしたがってとくんでいけるようにみちびいてくださいます。

一度に大勢の善知識の方々に会うのは大変です。しかしながら、少なからずそれを可能にできるのがお盆休みではないでしょうか。実家などで旧友きゅうゆうや親族と会って話をし、「生きていく」ということを学びます。また、おはかまいりやお仏壇ぶつだんでのお勤めに加え、お寺の行事に参加されてご住職の話にも耳を傾けてください。きっと、私たちは「生かされている」ということを学ぶでしょう。

仏さまからいただくごえんも、直接は語りかけてはきませんがご先祖せんぞさまというたくさんの善知識の方々からいただく徳もあって、私たちは現世に生かされているのです。

このお盆、多くの方から生活の知恵ちえを得て、感謝の気持ちをもってご先祖の供養くようという徳を積み、仏さまの教えの実践じっせんはげんでいただきたいものです。