戊戌だより
2015年11月の記事一覧

「新嵯峨野物語」第八話紹介

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「新嵯峨野物語」第八話が、月刊「嵯峨」11月号に掲載されました。

冒頭一部をご紹介致します。

まったく予測しなかった伊予親王の謀反という事件に遭遇して、震撼とさせられてしまった平城天皇でしたが、ようやくその余波も鎮まってほっとしていらっしゃいました。ところが先年から起こっていた飢饉と、そのために発生する死者の数が増えるために、それだけ疫病が広がるという難問を抱えていたのです。大同三年(八〇八)の年明けは、帝にとって大変気が重くなる日々になってしまいました。

即位からやっと二年が過ぎたところでしたが、先帝の為政を理想として追っていこうとするために、現実主義的な生き方をしようとする公卿とは、しっくりといかないところがあったのです。現実には伊予事件が右大臣藤原内麻呂の力によって事なきを得たために、藤原北家の者たちには、無視できないものが生まれてきていました。

 

続きは月刊「嵯峨」11月号にて掲載しております。

月刊「嵯峨」の詳細はこちらから。

 

「新嵯峨野物語」サブタイトル変更

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戊戌記念の一環として藤川桂介先生による小説『新嵯峨野物語』が月刊『嵯峨』において連載されてから、すでに8話を数えます。ここで舞台は嵯峨天皇の御代となりました。そこで、サブタイトルを「悲劇の皇太子たち」から「嵯峨王朝史」と改め、お話も次第に壮大な平安絵巻の時代へと突き進んでまいります。引き続き『新嵯峨野物語』をお楽しみ下さいませ。

小説扉絵も睦月ムンク先生の手により、秋の様相を意識した新しい画になっております。「新嵯峨野物語」をお読み頂けるのは月刊「嵯峨」だけでございます。どうぞ、購読のお申し込みやお問い合わせは、お気軽に大覚寺編集課までどうぞ。