戊戌だより
2015年3月の記事一覧

「新嵯峨野物語」の連載お知らせ

平成二十六年九月三日の戊戌記念事業推進委員会で経過報告を行い、鋭意企画推進しておりました記念出版事業の一つが決定いたしました。
大覚寺と深い縁ある京都嵯峨芸術大学の客員教授であられる、藤川桂介先生による「新嵯峨野物語」を月刊『嵯峨』で小説連載いたします。
この小説の挿絵には同じく京都嵯峨芸術大学客員講師の漫画家・睦月ムンク先生をお願いいたしております。プロの漫画家にお願いすることで、後々には一般書店でも販売できるレベルのコミック、または布教冊子として独立させる等の可能性も図れるようにという意図です。
また、小説に登場する景勝地や寺社仏閣などを、京都嵯峨芸術大学とのコラボレーションによって紹介ページ作りを行い、それによって京都嵯峨芸術大学関係者にも月刊『嵯峨』を広く手に取っていただけるよう企画進行中です。
また、これとは別に戊戌開封法会の成満の後は、記録として紀要の編集も行う予定です。

嵯峨菊とは

sagagiku001嵯峨菊は、嵯峨天皇がその気品ある姿と香りを好まれ、この独特の古代菊を、永年にわたり王朝の感覚を持って育成し、一つの型に仕立て上げられた風情と、格調をかねそなえた菊が大覚寺「門外不出」の嵯峨菊です。この菊の仕立ては一鉢に三本仕立てとし、長さは約二メートルに育成いたします。これは殿上から鑑賞されるために高く育てているのです。
花は、下部に七輪、中程に五輪、先端に三輪で「七五三」とし、葉は下部を黄色、中程は緑、先端を淡緑と、四季を表しています。花弁は、糸状で五十四〜八十弁程、長さは約十センチの茶筅状が理想とされます。淡色の花々が色とりどりに美を競い、格調高い香りを漂わせています。

高円宮妃殿下のお成り

 

この門外不出の嵯峨菊の伝承のようすを、直接、大覚寺でご覧になりたいとのご希望により、平成二十六年十一月二十五日、高円宮妃殿下がお成りになられました。
大覚寺宸殿の特別会場において、辻井ミカ華務長による嵯峨菊を使った嵯峨御流華道のデモンストレーションをご覧になられた後、嵯峨菊会幹事・清水幸雄氏、同じく若狭五十鈴氏より嵯峨菊の伝承や栽培の苦労談をお聞きになられました。つづいて黒沢全紹門跡猊下、服部精村宗務総長のご案内により、心経前殿にご入堂され、高円宮憲仁親王殿下のご尊牌にご献香。さらに、心経殿の前にて服部宗務総長から、平成三十年の勅封般若心経一二〇〇年戊戌開封法会ならびに嵯峨御流創流一二〇〇年についての説明をお聞きになられました。
このように、皇室の方のお成りのようすを拝見しましても、大覚寺が旧嵯峨御所として皇室とのご縁深い事実が垣間見えてまいります。
この度の高円宮妃殿下の大覚寺お成りは、来る平成三十年への良き励みとなったように思います。

※嵯峨菊会も、この度の戊戌記念推進事業における協力団体として大切な存在であります。

 

嵯峨菊をご観覧になられる妃殿下

嵯峨菊をご観覧になられる妃殿下

花衣桁に嵯峨菊を挿花

花衣桁に嵯峨菊